快適な車の走行にとって必要なのがタイヤのローテーションです。わざわざタイヤの位置を変える必要性がわからないと思っている方もいるかもしれませんが、実はタイヤのローテーションには非常に重要な理由があります。
今回は、タイヤのローテーションがどのようなものか、理由などと併せてご紹介します。
目次
タイヤのローテーションとは
まずは、そもそもタイヤのローテーションとはどういうことなのかを解説します。
タイヤのローテーションとは?
車に付いている前輪(フロントタイヤ)と後輪(リアタイヤ)を入れ替える作業をローテーションといいます。
タイヤのローテーションの必要性
駆動方式によって、同じタイヤでも前輪と後輪とでは摩耗具合が異なります。摩耗が偏ったまま走行を続けると、振動や異音などのトラブルが発生するので、定期的にローテーションをして摩耗を均一にする必要があります。
装着場所による違いはある?
<前輪と後輪>
エンジンがどこに搭載されていて、エンジンの力をどのタイヤに伝えるか、という駆動方式によって種類が分かれており、エンジンの力が伝わっているタイヤ(アクセルを踏んだ時に動くタイヤ)を駆動輪と呼びます。
前輪駆動(FF車)や後輪駆動(FR車)、四輪駆動(4WD)などの駆動方式があり、通常であれば駆動輪のほうにより大きな負荷がかかるため、前輪駆動の場合は前輪、後輪駆動は後輪の方が早くすり減っていくといわれています。四輪駆動(4WD)は車種により摩耗しやすいタイヤの位置が異なります。
タイヤのローテーションはいつ行う?
タイヤを長持ちさせるためのローテーションは、いつ行うのが望ましいのでしょうか。
ローテーションを行う目安
タイヤのローテーションは、走行距離5,000〜1万kmを目安に行うと摩耗が偏るのを防げます。雪が降る地域であれば、ノーマルタイヤとスタッドレスタイヤを履き替えるときにローテーションを行うとよいでしょう。
また、12か月点検の際にタイヤチェックを行い、必要であればローテーションをする方もいます。
車によってタイミングが違う?
FF車は舵取りと駆動どちらも前輪で行うのに対し、FR車は前輪で舵取り、後輪で駆動しています。そのため、FF車とFR車では駆動輪に対する負荷の大きさが異なります。FF車の前輪は後輪よりも2,3倍早く摩耗するといわれているため、FR車よりも少し早めにローテーションを行うことをおすすめします。
タイヤローテーションのやり方
タイヤのローテーションの方法にはいくつかの種類があります。
ローテーションのポイント
<駆動方式>
上述したように、駆動方式の違いによってタイヤの摩耗は異なります。
駆動方式 | 特徴 | 摩耗しやすいタイヤ位置 | |
FF車 | フロントエンジンフロントドライブ | ・フロントにエンジンがあり、フロントタイヤが駆動する ・現在、ほとんどの車がFF車 | フロントタイヤ |
FR車 | フロントエンジンリアドライブ | ・フロントにエンジンがあり、リアタイヤが駆動する ・一部のスポーツタイプで採用されている | リアタイヤ |
4WD | 四輪駆動 | ・すべてのタイヤが駆動する ・雪道など滑りやすい路面に強い | 車種によって異なる |
<タイヤのタイプ>
タイヤの中には回転指示があり、タイヤが回転する方向が決められているものがあります。このタイプのタイヤは左右を入れ替えることができません。
運動性能や排水性が良くなるようにタイヤの切り込みや溝の向きなどが考えられているので、反対向きに使うと安全性が損なわれてしまいます。
タイヤの側面に「ROTATION→」と表記されているものは、回転指示があるタイヤなので気を付けましょう。
タイヤローテーションの方法
<FFの場合>
前輪を駆動させるFF車は、フロントタイヤがより摩耗します。そのため、フロントタイヤをリアへ移動し、リアタイヤはフロントに移動する際に左右を入れ替えます。
・フロントタイヤ→リア
・リアタイヤ(右)→フロント(左)
・リアタイヤ(左)→フロント(右)
回転指示があるタイヤの場合は左右を入れ替えることができないので、フロントとリアで左右はそのまま入れ替えをします。
<FRの場合>
後輪を駆動させるFR車は、リアタイヤのほうが摩耗するので、リアタイヤをフロントへ移動し、フロントタイヤは左右を入れ替えます。
・リアタイヤ→フロント
・フロントタイヤ(右)→リア(左)
・フロントタイヤ(左)→リア(右)
フロントタイヤとリアタイヤでサイズが違う場合、前後の入れ替えはできません。
<4WDの場合>
4WDは、前輪駆動ベースと後輪駆動ベースの車があります。車種により摩耗しやすいタイヤ位置やローテーションの方法が異なりますので、ディーラーや専門店に確認しましょう。
また、近年ではタイヤの左右を入れ替えないローテーションが主流になってきています。
タイヤローテーションは自分でもできる
タイヤのローテーションを行う際には、十字レンチ・トルクレンチ・リジットラック(ジャッキスタンド)・油圧ジャッキといった工具が必要です。
【タイヤローテーションの手順】
1.ホイールナットを緩める
2.ジャッキスタンドを使って車体を持ち上げる
3.タイヤを外す
4.タイヤを入れ替える
5.タイヤの取り付けをする
6.ホイールナットを締める
7.トルクレンチを使い、適切な力でホイールナットの増し締めをする
このように工具を使えば、自分でタイヤのローテーションを行うことは不可能ではありません。但しローテーションを行うためには、少なくとも2本以上、場合によっては4本のタイヤが同時にジャッキアップされている状態が必要になる為、通常の車載工具などではできません。
また、重たい車体を持ち上げて行うタイヤのローテーションは、作業中にさまざまな事故が起こる可能性があり非常に危険です。タイヤを付け替えることができたとしても、タイヤを取り付ける力が弱かったり付け方が間違ったりしていると、重大な事故につながりかねません。
大変な労力と時間をかけて自分で行うよりも、タイヤのローテーションに慣れているプロにお願いするほうが効率的かつ安全です。快適な走行のためにも、タイヤのローテーションは高い技術をもった専門店にお願いしましょう。
タイヤの劣化が進んでいる場合はローテーションではなくタイヤ交換をしよう
ローテーションはタイヤを均等に摩耗させるために重要な作業ですが、もしタイヤの摩耗や劣化が進んでいる場合には、新しいものと交換しましょう。
タイヤ交換の目安
<走行距離>
タイヤのサイズやドライビングの癖、道路の状況などによってタイヤの摩耗の具合は変わります。一般的に、新品のタイヤの使用限度は走行距離3-5万kmが目安と言われています。
3万km程度走行されているようなら、ローテーションを行ってもすぐに交換が必要になる可能性もあるので、交換を検討したほうが良いでしょう。
<使用年数>
タイヤは走っていても放置していても、時間が経過すると素材のゴムが劣化していきます。そのため、使用を始めてから5年程度を目安に交換をするのがおすすめです。
タイヤをいつ交換したかわからない場合は、タイヤの側面に記されている製造年数を確認すると、おおよその使用年数を把握できます。
<見た目>
タイヤの劣化は見た目でも判断できます。
・タイヤの溝や切れ込みが部分的になくなっていないか
・傷がないか
・ひび割れや擦り傷がないか
・釘やガラスなどが刺さっていないか
日常的にタイヤを目視し、変わったところがないかチェックしましょう。
スリップサイン
タイヤの側面にある三角マークの延長線上には、溝の深さが1.6mmになると「スリップサイン」が現れます。
溝の深さが1.6mm以下になった状態での使用は法律で禁止されていますので、必ずそれより前に交換しましょう。
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